Custom Yacht Project
ー カスタムヨットプロジェクトー




バルクヘッドの作成

ハルは、これからサンディングというきつい仕事が始まります。それと同時に、
内装側に設置するバルクヘッドの作成も開始されています。バルクヘッドは、
単なる仕切りでは無く、船体の剛性強化という重要な役目をしています。この
バルクヘッドは、一般的には合板をカットして使いますが、それでは重すぎる。
前から後ろ迄、何枚もありますから、トータル重量はかなり重いものです。

このヨットはセーリング重視ですから、ここでは、軽量化の為に、バルクヘッド
もハルと同じ工法で、フォーム材をサンドイッチにしてラミネートしていきます。
もちろん、船体に設置する時は、単なる接着では無く、ラミネートして船体と一
体化し、船体の剛性を高めています。ここまで手間をかける理由は、セーリング
パフォーマンスと、そのセールフィーリングの為、軽量化はスピードに影響し、船
体剛性はセーリングに滑らかさを感じさせてくれます。これがとっても重要と考
えています。セーリングはフィーリングです。また、一体化していますから、セー
リング中にキーキーと異音がしたりする事もありません。







バルクヘッド一枚一枚、フォーム材にラミネートして、バキュームやって、
と手間をかけて造られます。もちろん、船体強化はバルクヘッド以外には
ストリンガーも設置されます。これは、人間で言うなら骨の様なもので、背
骨とか肋骨とかにあたるものです。そのストリンガーが、縦方向、横方向
に、船体にラミネートされ、これらも船体と一体化されます。素材は、これ
も軽量化の為にカーボン/エポキシで造られます。
詳細は、その時が来ましたら、御報告致します。

船体の軽量化と強化はセーリング重視のヨットには、非常に重要になり
ます。船体のデザインと共に、そのヨットの命と言っても過言では無い。
このヨットには、一般的なプロダクション艇とは違って、かなり、職人の手
間をかけられていますが、そこが、カスタムたる所以だと思います。

カスタム建造は、ただ好きなデザインで建造できるというだけでは無く、
品質上、相当高いレベルにある事が、この建造プロセスを見ると、良く
解ります。


2020年8月18日

以降、建造と供に更新していきます。

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